今回の茨城高等学校の実習で感銘を受けたのは、実習の合間に自由研究を取り入れたことです。
毎日の実習が15時半頃に終了し、16時から夕食までの2時間半が自由研究の時間です。
テーマは各人の希望と実習プログラムの内容・実現可能性などをすり合わせて決定しました。
一人で取り組む者もいれば、グループで取り組む者も。ゆったりと流れる時間の中で、初めての自由研究に戸惑いながらも、データを取ったり、サンプリングしたりと皆、楽しそうでした。私たちは脱線しないように、ファシリテートさせていただきました。
最終日30日の夜、その自由研究の発表を行いました。会場は宿泊している南ぬ風(ぱいぬかじ)の食堂をお借りしました。
テーマの題材として取り上げられたものは、以下のとおりです。
カニ/水質(CDO)/土壌の性質/亜熱帯の木本/石炭/魚類/外来種/シダ植物/イリオモテヤマネコの糞/鳥の亜種/貝/星の砂/チョウ/海岸漂着ゴミ
各グループまたは個人で5分程の発表のあと、質疑応答。ときに鋭い質問やツッコミも飛び交いつつも和やかな雰囲気で14の発表がなされました。個々の発表に対する先生方のアドバイスが今後の高校での活動に生きてくると感じさせ、また、今回の実習に取り組む熱意を表していたように思います。
時間オーバーしてかなり夜遅くまでの発表会となりましたが、皆の熱心な姿勢が伝わってくるとても充実した時間でした。
締めるべきところはビシッと締める先生方のお陰で、特にトラブルもなく終了しました。皆今どきの理系高校生という感じで、モバイル機器を鮮やかに使いこなしている様子はさすがの一言でした。
でも自然科学の多くは、野外におけるデータ収集から全てが始まります。熱帯の自然と濃密に触れることができただけでなく、現場で想定外のことにぶち当たった時に、どう対処して目的を果たすか? 物事の本質を見失わないで「切り抜ける力」が問われる機会を随所に持てたことが、とてもいい体験になったと思います。