沖縄の離島・西表島のエコツアーと教育旅行を提供します。じっくりと自然観察したり、ゆったりと島の文化を体験したり、島の奥深い世界までご案内します
人と自然と暮らそう
Anthony Bourdain
八重山の原風景が色濃く残る干立集落。
現代では失われつつある自然とのかかわり方が
ここにはあります。
くまのみ自然学校について
わたしたちの思い
人と自然と暮らそう
自然っておもしろい。遊んだりくつろいだり、生きものを見つけたりその謎を解き明かすこと。季節の幸やものづくりもいい。こうした自然から得られるさまざまな楽しみを、私たちは提供しています。西表島の大自然と共に歩んできた人の暮らしや、科学的アプローチを織り交ぜた多様な自然体験プログラムを通して、たくさんの人に「自然への感謝と畏敬」「人の知恵と業」を感じてほしいと思っています。
クマノミとイソギンチャクは共生する動物として知られています。そんなふうに、人と自然が寄り添って暮らす世の中になるよう思いを込めて、名前をつけました。
名前の由来
わたしたちが大切にしていること
環境教育
わたしたちは西表島を舞台に環境教育プログラムを提供しています。よく誤解されるのですが、環境教育とは環境問題について学習することではありません。というのも、環境問題について学んでも、環境問題は解決しないことがわかっているからです。では環境教育とは何を学ぶことなのでしょう?
環境教育とは、現在のライフスタイルの見直しができる力を持った人々を育てることを目的とする教育活動のことです。具体的には、今生じている問題に「気づく力」「知る力」「行動する力」を段階的に養います。人類はすでに情報を収集するツールを持ち、環境問題についてもすでに十分な知識を持っている人が多いにもかかわらず、環境問題は何一つ解決していないのが現状です。だから、問題解決のための実践力を養う教育が求められているのです。
亜熱帯という気候と自然度の高さから、西表島は自然にほとんど関心のない人でさえ、自然に向かって感性を開きやすい場所です。だから、訪問者に環境教育プログラムを行う意義は極めて高いと考えています。
エコツーリズム
エコツーリズムとは、エコブームに便乗した旅行商品ではありません。自然を開発することで地域は発展するという考え方が信じられてきた日本では、自然保護ボランティアの「かけがいのない自然を大切にしよう」という呼びかけは、「自然を守って飯が食えるか」という言葉に説得力を持った反論ができませんでした。
1980年代半ばの頃から、ありのままの森や川・海を職場とするプロの自然案内人が生まれ、郷土の自然や文化・暮らしへの理解を深めるプログラムを訪問者へ提供することが始まりました。自然体験を通して、失いかけていた自然との関わりの楽しさや大切さを多くの人に伝えることが、そのまま地域の環境保全や産業振興につながる地域づくりを始めたのです。それをエコツーリズムと呼んでいます。
干立(ホシタテ、フタデ)
西表島の浦内川のあたりから西の一帯を、島では「西表」と呼んでいます。そこには「祖納」とくまのみ自然学校のある「干立」という二つの集落があります。
干立は、県道からひっそりと隠れるようにある小さな集落です。鬱蒼としたフクギとヤラブの屋敷林が残り、八重山の原風景を今に伝えています。伝統文化が今に息づき、稲作の節目節目に、自然そのものを神として、季節の恵みに感謝を捧げる神事を継承しています。人々は季節の移り変わりを読み取り、自然に寄り添いながら暮らしています。ここで過ごすことで、人と自然とが共生する暮らしのヒントにきっと気づくことでしょう。
利用と保全
かつて、道路整備等の基盤整備による破壊や過剰な利用・ゴミなどが問題となって、観光事業者と自然保護団体が対立している地域は、日本中にたくさんありました。それを伝えるニュースで、観光事業者側が「私たちがたくさんの観光客を連れてきていることで、地域にたくさんお金を落としている」と偉そうに言っていたのを覚えています。それを聞いて、自然を利用して収益を上げている者は、使っている自然に感謝して恩返しをするべきだと思いました。それは今も変わりません。
そこでわたしたちはホームグラウンドとして利用しているフィールドで、モニタリング調査を行っています。毎年、フィールドの状況を把握することによって、環境の変化を把握することは、自然を守る上で大切だと考えるからです。もし、自分の行っているアクティビティが環境を悪化させているならば、すぐに中止しなければならないと考えています。
幸い今のところは環境が悪化しているところは見つかっていません。それどころか、フィールドのことをより深く知ることができました。データは毎年蓄積され、アクティビティの改善に役立っています。
安全管理
自然体験活動では危険(リスク)を避けては通れません。体験活動をしなければリスクは0にはできます。しかし、「自然を楽しいと感じる」「人間は様々な困難な場面を乗り越えて成長する」ことが自然体験の意義であることから、「いかにリスクを小さくし、コントロールできるか」という視点が必要になります。
くまのみ自然学校では「リスク予測と対策の徹底」「ルールやマナーの遵守」「自己責任の意識」「安全が最優先」の4つを安全の基本原則と考え、結果として安全が確保できることを大前提として、「危険を回避する」と「対処可能な範囲で危険と関わる」を適切に判断しながら安全管理を実施しています(たとえば1人のインタープリターがマスクとシュノーケルをつけた海のトレッキングでは、5名が限度だと考えています)。